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News and Report

Quantum

Quadram
Porsche 997 GT3-RS
pure sport packaging with massive power.
Sport Spec’ and Super Sport Spec’

ポルシェ用パフォーマンスパーツの定番QRSから997 GT3-RS 用サスペンションキットが発売されました。
主な仕様は2種類のダンパーをベースに、純正TOPマウントを流用するSTAGE-1。
QRS TOPマウントに組み込まれたコンプリート キット= STAGE-3 の2種類。
使用するダンパーは減衰力調整式 T5-RS。
または、リザーバータンクを装備した 2way タイプの
T3-CR の2種類です。
PASM indicator canceler
new correction JUL 2009

PASM インジケーターキャンセラー
も同時発売(¥80,000 + TAX)


by QRS LTD
QRS では 356~911~930~964~993~996~997の、歴代ポルシェ用サスペンションキットを全て開発してきました。脈々と続く進化の過程を紐解きながら進めてきた商品開発。その過程において、ショートホイールベース&RRレイアウトゆえの進化の方程式=ポルシェ開発陣の表現したいことを探りながら作業して参りました。話は横道にそれますが、30年前カレラ10のレストアをした時に、当時目の前にあった最新のレーシングカー、トールマンF-2(後のベネトンF-1)や最新型のマーチF-2と見比べて、なんて簡素な作りをしているのだろうと思いました。燃料タンクはバンドで吊っているだけ、ヘッドライトカバーは鉄板ビスみたいなもので何となく止まっていて、あまり強く締め付けるとひびが入りそうな・・・。でも3年後に初めて日本に輸入されたポルシェ956のメンテナンスを担当した時は、本当に驚かされました。
エンジン周りの景色が全てカレラ10のままだったからです。
ストレートエンドで300km/hを超す速度では500キロ以上のダウンフォースを生み出すリアウイングの取り付けも、カレラ10を彷彿させる簡素な設計。後にノルベルト・ジンガーに尋ねると、917の頃から一緒だよ、と軽くウインクされたことを懐かしく思い出します。
現代の感覚で言えば小型ライトウエイトスポーツから始まり、今やノーマルで400馬力オーバー。この間ポルシェのエンジニア達は、タイヤやブレーキの進化と歩みを合わせ、フロント荷重&ワイドトラック&ロングホイールベース化を進めてきました。
リアヘビーによるオーバーステアも技術的に解消され、どんどん安定志向になる一方で、前後のピッチセンターを前に移動し、フロント荷重を掛けられる車に変身してきました。
993に残っていた、トラクションを掛けていった際のフロンノーズの浮き上がりとアンダーステアは、997では相当押さえられています。QRSも 996 GT3-RS 以降より、スプリングの前後バランスを改め、よりフロント荷重が掛かる前提で減衰力を設定しました。
996 GT-3 RS でも感じたことですが、996 GT3 と GT3-RS のシャシー剛性は別物。996 GT-3 RS で良かった減衰力を、後期型 GT-3で試しましたが、固すぎて全くだめでした。
シャーシ剛性が足りずに押し切れないのだと思います。
今回 997 GT-3 RS 用の商品開発をするに当たり、もちろん996 GT3-RS をベースに始めましたが、まだまだ固く(=減衰力を強く)出来そうなキャパシティを感じました。実際FR=18k / RR=20k のバネレートで街中を50~60km/h の速度であれば不具合を感じません。峠では、はっきり言ってアンダーもオーバーもなく、限界がどこかなんて全くわかりません。まだセントラルを流した程度ですが、早く富士で全開にしてみたいです。

純正の乗り味は?
PASM normal / sport


純正の足をそのまま乗ってみました。PASMをノーマルモードにセットして幹線道路から首都高を走りましたが、とっても良くできた足です。古い964 RS や993 Club Sportの足は、固いだけで乗っていられませんでしたから、ずいぶんと進化したものです。
ギャップの山の頂点から谷に落ちていくと、996 GT-3 にあったおしりからドスンと落ちていく感覚もなく快適です。
試しにスポーツモードに切り替えると一変。出ましたみなさん。これが RS の足です。
先ほどのギャップもドスン。胴体着陸さながらの挙動。
縮み側減衰力がバネレートに対して固すぎるようで、スプリングは縮もうとしているのにダンパーが突っ張った感じが出てきます。きっと250km/h オーバーでは安定するんだろうな~と思いました。
2way adjuster ?

リザーバータンク側にある 2nd-PISTON & ハイスピードアジャスターには、振動を打ち消す機能が満載。
細かなデコボコに対して、高級感のあるフラットな乗り味を提供します。
それはポルシェでも。
でも、コーナーは良くなったとは言えノーマルのバネレートのままでは柔らかすぎ、QRS FR=11k / RR=14k のツーリング仕様で仕上げた方が乗り心地とハンドリングのバランスは良いと実感できました。
試しに FR21k / RR23k にしても、996 GT3 のFR=12k / RR=15k より乗り心地が良い。でもセントラルを夏の雨上がりに走ったら、横方向のグリップが足りず・・・・・。
やっぱり20k オーバーのスプリングレートはスリック用でした。スポーツ走行なら FR=16k or 18k / RR=18k or 20k がおすすめです。