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Low Friction

Low Friction

How to set-up

Advantage of Second Piston

連続した路面のうねりに対してサスペンションを正確にトレースさせるノウハウ。
QUANTUM のローフリクション・テクノロジーにより可能になった単筒低圧式ダンパーのレイアウトは、初期作動時の抵抗を軽減し、独特な乗り心地とトラクションの確保に大きく貢献しています。

その秘密はボディに内蔵されたセカンドピストン。
QUANTUM レーシング・ダンパーの減衰力(=エネルギー)は、シャフトと一緒に動くメインピストンとボディに固定されたセカンドピストンの間の部屋で発生します。そのため、ガス圧はシャフトがボディ内に出入りする事によって起きる、オイルのボリューム変化を吸収するためだけに作用するので、減衰力の強弱に関わらず低圧ガス(4kgf/cm 2~7kgf/cm 2 )でもキャビテーションの問題を難無くクリアーしています。 従って、シャフトを押す力(=反力)は6kgf~10kgf でしかありません。

一般の単筒高圧式ダンパーの場合、減衰力(=エネルギー)は、メインピストンとフリーピストンの間の部屋で発生させています。つまり減衰力を強く設定する場合、それにバランスさせてガス圧を高く(17kgf/cm 2 ~25kgf/cm 2 )しなければなりませんでした。 そのため、シャフトを押す力(=反力)は34kgf~50kgf にもなってしまいます。
たとえ自動車が直線を走行していたとしても、サスペンションは常に伸びたり縮んだりを繰り返しています。

従来の単筒高圧式ダンパーの場合、サスペンションが一度伸びてから縮め始める時には、50kgf以上の荷重が掛からないとダンパーが動かないため、その都度コツコツとした突き上げ感がともないました。
それに対して、QUANTUM の単筒低圧式ダンパーは、わずか10kgfの荷重でも動き始めるわけですから、そのしなやかな動きが容易に想像できるのではないでしょうか。つまりQUANTUM と一般の単筒高圧式ダンパーとでは、そもそも構造が違うので、全く違った次元の特性を示します。

Standard of Quantum

それでは実際、サスペンション・キットを開発するにあたり何を基準にしているのか?
メーカー純正ダンパーの減衰力では、乗り心地は良いかもしれないが、これでは柔らかすぎる。
レース専用ダンパーの減衰力は、ハンドリングは良いかもしれないが、これでは普段の足として乗れたモノではない。
と言ったところから始まります。

つまり、アフターマーケット向けのサスペンション・キットというのは、レースの減衰力とメーカー純正の減衰力の間で、乗り心地とハンドリングのバランスを見ながら、「この位かな? 」と、任意の値に設定しているのが実状です。
QUANTUMは構造上、乗り心地を確保しやすい商品なので、仮に一般の単筒高圧式ダンパーと同じ乗り心地の商品があったとしたら、減衰力はよりレーシングカーに近い、高め(=強い)の設定にすることが出来るので、端的に高性能と言うことができます。

QUANTUM独自のしなやかな乗り心地とハンドリングの秘密は、市街地走行での乗り心地を考慮しつつも、レーシングカー並に設定された強い減衰力によるモノですが、セカンドピストンをボディに内蔵させる複雑な構造や、部品点数が増えてしまう分、高価な商品となっています。


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